約10年前に、このワインに出会ってから、絶対、ワインショップをオープンしたら、取り扱いしようと思っていたワイン。
そして、7年前に北摂ワインズを開店させて、取り扱いがすぐ始まった。
最初は、野村ユニソン(前INA)さんから、仕入れておりましたが、たまたま、ワインラボさんへ訪問したら、まさかのルーカストゥンバのワインが並んでるのに、ビックリ!それも、種類もデータも豊富。で、聞くと、自然派として意識して扱っておらず、ダブルでビックリ!このインポーターのポテンシャル、中々やるなと感心した事を思い出します。
こないだ、数年ぶりにこのワインを飲んでビックリ!めちゃくちゃ綺麗になっている。改めて、フランス語でこのワインについて調べてみると、なんとフランスでは、非常に評価が高く、手に入りにくいみたいです。しかーし、日本では、まだ知名度が低く、意外にもワイン関連のプロ達の口に入ってない。
こんなにも、美味しいワインなのに!いいワインを先取りするチャンス!
だから、プロの人達より、いいワインもっともっと飲んで知って楽しみましょうよ!
では、造り手についてお話していきますね!
ルーカス・トゥンバ Roucas Toumba
<エリック・ブルタン氏について>
ほぼ一人でドメーヌを切り盛りするエリック氏。背が高く、言葉は少なく、多少の物事には動じず騒がずという雰囲気。職人気質 な彼は、たとえ自分の職業人生に残るほど出来の良い年でも、横で見ていても分からないぐらい喜び方が静かだ。「どうしてもっと 喜ばないの?」と聞くと、「だってぶどうの出来がいくら良くても、醸造中の今はまだ良いワインに仕上げられるかどうか分からな いし、出荷されてからもどんな人の手に渡ってどういう風に飲まれるかも分からないし…」と続く。そこまで考えるのか!と思うほど、「ワインが美味しく飲まれるために何が出来るか」ばかり考え、自分が出来ること以上にも考えたりする。
黙々と自然と向き合いながらワイン造りをする彼の姿には、古き良きフランスのアルティザン(職人)という言葉がしっくりくる。そんなエリックが農薬を使わずに造るワインは、ナチュラルだけど荒くはない、土っぽいのに繊細さがある、個性の強い光があるのに身体にスッと馴染む。細心の注意を払うこと、大胆に自然に任せること、彼の仕事がそのまんま味わいになっている。
<Roucas Toumbaの歴史について>
ルーカス・トゥンバ Roucas Toumba は古いプロヴァンス語で「落ちてきた岩」。ブルタン家は 16 世紀半ばからワイン用のブドウ造りが続く家系で、ずっと地元の醸造所にぶどうを提供してきた。2006 年にエリック氏がカーヴを作り、自身でのワイン造りを始める。
<醸造所について>
ルーカス・トゥンバのワインを飲んでいると、「ワインは農作物なんだ!」と感じる。 ぶどうの皮や種だけでなく、枝や茎、葉、根元の湿った土、小雨に濡れた枯れ葉や それを乾かす風までも香ってくるようなイメージが浮かんでくる。 洗練され、ゴージャスに飾られ、原料感をもはや無くしてしまったワインとは対極にあり 飲んでいて、ワインがまだ木に生えているような思いがする。 ルーカス・トゥンバの位置するヴァケラス村や、その隣のジゴンダス村は、 南ローヌの中でも特に「ワイルド」「野性的」「土っぽい」ワインを生み出すエリアだ。 モノによっては「獣臭」「なめし皮」と言われるほどまでインパクトを持つ。 ルーカス・トゥンバのワインは、銘柄によってはその気配が無くもないが随分と優しい。 ワインの「元気さ」が目立つ南ローヌの中で、彼のワインは「繊細さ」の方が 味わいに良い仕事をしている 。
<畑について>
ビオディナミ農法(認証なし)、手摘み収穫、ノコギリのような形をしたモンミレイユ山の真西、ヴァケラスの小さな村から更に西側に点在して畑を所有。
<生産しているのワイン種類について>
AOC ヴァケラスをメインに置き、その他エリックが好きに味わいを決めたいキュヴェとして AOC のルールに縛られない Vin de France やIGP もリリースする。また赤が9 割のローヌ地方で、珍しい白も極少量造っている。
それでは、次に今回ワインについてす。
●Les Grands Chemins 2016/ Roucas Toumba
名称: レ・グラン・シュマン 2016
種類:赤
生産者:ルーカス・トゥンバ (エリック・ブルタン)
醸造地:フランス/ローヌ・ヴァケラス
原料:グルナッシュ60%、カリニャン30%、シラー10%
アルコール度数:14.0%
酸化防止剤(SO2):32mg/L
容量:750ml
通常価格:3,200円(税抜)
ワイン名は、プロヴァンスの作家ジャン・ジオノの小説タイトル『Les Grands Chemins』より
現在、ヴァケラスを中心に所有する畑面積は16ヘクタール。土壌は、粘土泥質や砂質土壌。ブドウは50年超えの古木をメインに無農薬栽培したグルナッシュ、カリニャン、シラー。 収穫は全て手摘み。ローヌらしい野生的なニュアンスが非常に強い。
フランスではパリを中心に知る人ぞ知る入手困難なマニアのワイン。すべての畑において除草剤や農薬の使用は一切なし。手作業での収穫し、手作業で選果作業をし、除梗後、天然酵母のみでコンクリートタンクで醗酵、熟成。ボトリングは4月末。生産量は5500本。
⿊に近い紫を明るい⾚みのエッジが彩る。 ⾊の強いワインだ!味わいのしっかりしたぶどう果汁が、正に今絞り出されたような感じ。同時に、土のようなイメージや木の 根の周りの湿った土や枯れ葉のイメージ。香りがやや野性的なので、どんなにワイルドな味わいなんだろうと思って口に含む。
意外や意外、ぶどうのエキス分が織り成す味わいは柔らかく、角がない。⾚ワインの骨格を作るタンニンや酸はあるけれども、それらを押しのけてフレンドリーな ジューシー感が幅を利かせ、とっても愛想の良い味わいに仕上がる。鼻に抜ける、土を思わせる野性的な香り。
造り手エリック・ブルタン氏は、ぶどうの持つ生のままの味わいを大事にワインを醸す。余計な樽香はつけないこのワインは、 彼のキュヴェの中でも特にシンプル、「ワインは農作物なのだ」ということが口に含むほどよく分かる。 まだまだ、日本では認知度がないので、今のうちに、とっておきのアイテムとして、加えてくださいね。
― 以下、オーナー エリック氏の言葉 ―
「“オーガニック”という広告的な言葉だけが流行り、事実が軽視され続けるこの世界。僕はぶどうに問いかけ、自分自身に問いかけ、自分が切り開いた道を歩く。僕よりはるか前からこの世に存在するぶどうは、僕と古代の人たちとの架け橋となり自然の様々なことを教えてくれる。ワイン造りという仕事は、ぶどうや自然から学び続けることだ。」
ルーカス・トゥンバ Roucas Toumba