四季の輝きを握る、元和食の板前による鮨       〜あかとしろ〜

 

 

 

 

 

北新地のビルの3階、引き戸を開けるとモルタルの空間に白木のカウンターやしっぽり心地いいミニマムな個室という、モダンな和の佇まい。「洗練されていて、それでいて安い、自分が行きたい店を創りました」というオーナー・村上健太郎さんの言葉通り、関西屈指の高級歓楽街にある鮨店にしてコース5500円〜という破格に誰もが驚く人気店だ。

 

料理を仕立てるのは、「神戸吉兆」で経験を積んだ店主・上月崇生さん。和食の板前から寿司を握るようになった約5年前の開業時は「親交のある鮨店で研修させていただき、“寿司”という料理を学んだ感覚。技術の習得に必死でした。お客様に何流の鮨なのか、よく聞かれるのですが、亜流のため現在も日々試行錯誤しています。愛媛県から送っていただく漁師・藤本さんの素晴らしい魚の品質に助けられています」と話す言葉の端々に、実直な職人の姿がうかがえる。本人は謙遜するが、権威あるグルメガイドブック『ミシュラン』ビブグルマンも獲得し、海外からのゲストも多数。舌の肥えた食好きの常連をも唸らせる。

 

 

 

開業時からこだわるシャリは3種類。握りには人肌程度に温かい赤酢と白酢をネタによって使い分け、巻物やちらし寿司といった持ち帰り品は甘めの関西風を組み合わせる。

 

 

 

 

加えてネタに施す、元日本料理の板前らしい工夫も特徴的。春ならば桜の塩漬けと共に握り、夏ならば笹と共に〆て香りづけする「サヨリ」など、魚種以外で季節感を表現。

 

 

 

 

また寿司と交互に提供する一品料理では、毎日引く黄金色のスッポンのだしで作る濃厚茶碗蒸しに季節野菜のすり流しを重ねたり、ノドグロやサワラといった焼き物には金柑や洋梨といったフルーツのソースを組み合わせたりするなど、随所に四季折々の美味が輝く。

 

 

「鮨は季節感が出しにくいため、見た目や風味香りでその時々の季節を感じていただければ」と上月さん。こうした季節感だけでなく、節句や歳時期を大切にする店のスタイルにも、元和食の板前の美学が色濃く現れている。

 

 

 

 

<店舗データ>

あかとしろ

大阪府大阪市北区曽根崎新地1-1-41田中ビル3F

Tel 06-6442-1277

https://www.instagram.com/sushi_akatoshiro/

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